「張り」「欠け」とは?

家には様々な形があります。

 

住んでいるとあまり意識しないかもしれませんが、
間取り図を見てみると、
「こんな凹凸があったんだ!」
「結構、複雑な形の家だったのね」
と気づかされます。

 

家相では、家の形を「構え」と捉えていますが、
そこにもやはり良し悪し(吉凶)があります。

 

基本的にはシンプルな正方形や長方形が良しとされており、
できるだけ凹凸をなくしたほうが良いと推奨されています。

 

ただ、実際は日当たりや間取りの都合で
どうしても凹凸が出てしまうケースも多いですよね。

 

家相では、この「欠け」と「張り」のサイズや方位を重視し、
それによって家の吉凶を判断します。

 

★「張り」とは・・・一辺の長さの1/3以下の出っ張り
★「欠け」とは・・・一辺の長さの2/3以内の引っ込んだ部分

 

 

この「張り」と「欠け」は1階部分のみで判断し、
2階や3階に関しては制約がありません。

 

ただし、1階よりも2階部分が張り出したような構えは
立体的な「欠け」を生むので「大凶相」とみなされます。

住む人の運気への影響は?

家相では、「張りは吉」、「欠けは凶」と言われています。
(※ただし、鬼門・裏鬼門は張りでも凶です!)

 

ここに方位が持つ意味を掛け合わせて
「南東に張りがある家に住むと出世する」
「東に欠けがある家に住むと、仕事で大きな失敗をする」
「北や北西に欠けがあると、経済的に困窮する」
・・・などと、住む人の運気を左右すると考えられてきました。

 

しかし実際は、家の家相と住む人の運勢は
必ずしもリンクしていません。

 

確かに、南東に張りがある家は
日当たりや通風の面で恵まれているので
心身ともに健康に過ごすことができるかもしれません。
自ずと仕事に対しても前向きになれる・・・
ということはあるでしょうが、だからといって出世できるか?
それはもう、本人の能力と努力次第でしょう。

 

ただ、欠けがあることによって
採光や通風に難が出ることは確かですし、
それが原因で家の中にカビが生えやすくなる。
その結果、家族が病気がちになる。
家の傷みが早くなって、修繕にお金がかかる。

 

・・・という連鎖で仕事運や金運が落ちる可能性はあります。
単なる迷信だ!と笑い飛ばすことはできませんね。

 

ちなみに、玄関の三和土(たたき)には
「欠け」に近い意味があります。

 

「開放感を出すためにも、玄関はゆったり、広くとりたい」
と言う方が多いですが、三和土の部分を広げるのは危険!
凶の作用が強く出てしまいますので、
開放感を求めるのであればホール部分を広げるのが正解です。

建物の強度を左右する!

家の「欠け」や「張り」の影響が強く出るのは、
住む人の運勢というよりも家の耐久性!

 

張りや欠けがある家は「重心」と「剛心」のズレが大きくなるので
耐震性が弱くなると指摘されています。

 

★「重心」とは・・・建物の“質量”の中心点。
★「剛心」とは・・・建物の“強さ”の中心点。
          壁の重さや位置、耐力壁の位置などで決まる。

 

 

過去の大地震でも、

 

「張りや欠けの少ない家は被害少なかった」

 

というデータあるのだそうですよ。

 

家相的な「吉」「凶」というよりは、
万が一の災害に備える意味で、
凹凸の少ないシンプルな形の家を建てたほうが賢明
と言えるのではないでしょうか。