日本人なら「だまって木造住宅!」
日本の伝統的な家といえば、木造!
柱や梁を組み上げて作る「在来軸組工法」は
日本のスタンダードとも言える建て方です。
家相学のベースにあるのは
「日本ならではの風土、自然と調和した暮らし」ですが、
「木」という自然物といつも触れ合っている民族だったからこそ
このような学問が生まれたのかもしれませんね。
住宅に使われている木材は、
何十年もの年月をかけて育てられたもの。
その成長の過程で木にも個性が出てきますので、
全ての木を同じように使えるわけではありません。
それぞれの性質を生かせるパーツに製材する必要があるのです。
強くて長持ちする家を建てるには、
建材を適材適所で使うことが大事なんですね。
また、自然乾燥や人工的な乾燥のプロセスを経て、
自然環境下で吸収した水分を飛ばさなければなりません。
つまり、
切り出した木をそのまま建材として使えるわけではない
ということ!
住宅用として供給されるまでには
多数のプロセスを経ることになるわけです。
「そんなに手間をかけるより、コンクリートや鉄のほうが
手っ取り早いんじゃないの?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし昔ながらの木造住宅には、
近代的なコンクリート造の家では実現できない
優れた性質がいくつもあるのです。
具体的にどんな点が優れているの?
鉄筋コンクリートや鉄骨造の家も増えていますが、
やはり木造住宅も根強い人気!
平成20年に総務省が発表した統計によれば、
全体の6割は木造住宅だそうです。
(昭和53年のデータでは8割を超えていたようです)
非木造住宅の内訳では、鉄筋・鉄骨コンクリート造が
全体の約8割、鉄骨造は約2割です。
家相学の観点から見ても、木造の住宅は
日本の風土に最も適した家と言えるでしょう。
「あたたかみのある風合いが良いから」
という理由で木造住宅を選んでいる方も多いようですが、
注目すべきはその機能性の高さなのです!
木材には、空気中の湿度が高い時にはその水分を吸収し、
逆に乾燥している時は水分を放出するという性質があります。
この調湿性の高さゆえに、理論上、
住宅環境は常に快適に保たれるというわけ!
湿度の高い日本の家にピッタリだ、と言われる最大の特長です。
上記のように、木材には空気中の湿度を調整する機能があります。
それはつまり、「水分の逃げ場がある」ということです。
一方、コンクリート造の場合はその性質がありませんので
水分の逃げ場がなく結露しやすいと言われています。
(結露とは・・・空気中の水分が凝結して水になることです。)
窓回りの結露であればタオルで拭けばなんとかなりますが、
壁の内部で発生した内部結露は家を腐らせる原因になります。
最近の住宅は断熱性・気密性が高いというメリットがある一方で、
「室内外の温度差が大きくなりやすい」
「水分がこもりやすく結露しやすい」
という弱点が問題になっています。
木造住宅はコンクリートや鉄の家よりも弱くて脆い。
そんな誤解をされている方も多いのではないでしょうか?
しかし、考えてみてください。
国の重要文化財に指定されているような建物、
神社仏閣は木造ですよね?
「世界最古の木造建築」と言われる法隆寺がその最たる例です。
(670〜700年頃、つまり飛鳥時代に建築されたと言われています。)
建築用の木材、特にヒノキは軽くて丈夫!
しかもシロアリ被害にも強いことで知られているんですよ。
薄い木材の板を何枚も張り合わせた集成材には、
人体に害を与える成分が含まれた接着剤が使われているケースが多いです。
これが原因で発生する目や鼻、喉の痛み、
皮膚のかゆみなどを「シックハウス症候群」と呼んでいます。
張り合わせではない、一枚ものの天然無垢材を使った床や壁なら
こういった被害を予防することができるでしょう。
ソフト面でのプラス効果にもご注目!
このように、木造住宅は日本の風土に合った機能性を備えています。
機械でコントロールせずとも、
住む人が快適だと感じられる住環境を自然に実現できる。
これは、家相学の観点から見ても大事なポイントです。
加えて、理屈ではなく「心」で感じる感覚的なもの、
ソフト面での効果についてもお忘れなく!
よく、木製の家具や無垢床に対して
「あたたかみがある」「ほっこりする」という表現が使われますよね?
なんでも、天然の木は波長の短い光をほとんど反射しないため、
目に優しい(強い刺激を与えない、という意味で)のだとか。
ゆえに、ほっこり優しい雰囲気に見えるのだそうです。
実際、コンクリートの床を無垢材に変えたら
学級崩壊しかかっていたクラスの生徒たちの精神状態が落ち着いた
なんて例もあるそうですよ。
冷たいコンクリートにはないぬくもり、
どこか懐かしさを覚えるような、ホッとする安心感。
木造住宅は、遠い昔、
私たちの祖先が森で暮らしていた頃の記憶を
思い出させるのではないでしょうか・・・。
家造りにおいて「家相」を考える際には、
遺伝子レベルに刻まれた記憶も手繰り寄せて
本当の「心地よさ」を追求する必要があるのかもしれませんね。