鬼門とは?

家相や風水についてよく知らないという方でも、
「鬼門」「裏鬼門」といった言葉はご存知なのではないでしょうか。

 

「鬼門に玄関や水回りを作るのは良くない」

 

という話を耳にしたことがある、という方も多いでしょう。

 

「鬼門」は、北東の45度の範囲を、
「裏鬼門」は南西の45度の範囲を指します。

 

なぜ、この2つの方位を特別視するようになったのか?
これについては諸説ありますが、
最も有力なのは、中国の故事でしょう。

 

かつて、中国の北東には「匈奴」という異民族が住んでおり
この方角から侵略されることを恐れ、
それを防ぐために北東のガードを強化したと伝えられています。

 

他にも、北東から吹く季節風が
農作物の成長や人々の健康を阻害するものであったことから、
北東の風=「鬼」と重ね合わせて考えて
「鬼が来る方角」ということで「鬼門」呼ぶようになった
という説もありますね。

 

また、出雲大社の神様である大国主命が
神殿の北東に鎮座しているということから、
「神聖な方角を汚してはいけない」
という意味を込めて(特別な方角として)
ちょっと神経質に扱われるようになった・・・等々。

 

普通に考えても、北東は日当たりが悪く、
南西は西日が強すぎるという弱点がありますから、
採光や通風の面でも決して快適な方位とは言えません。

 

鬼門・裏鬼門に主要な設備(水回りや火気)や玄関を作るのは
「凶相だ」と言われるのも納得できますよね。

鬼門に関するタブー

鬼門・裏鬼門の方位を安易に侵すと、
家族が病気になったり事故に遭ったりと
思いもよらない災厄に見舞われやすくなるそうです。

 

具体的には、次のようなポイントに気を付けてください。

 

  • 鬼門・裏鬼門にトイレ・キッチン・バスルームを作らない
  • 鬼門線上に玄関を作らない
  • 鬼門・裏鬼門の方位に「張り」や「欠け」を作らない

 

もっとも、最近の住宅は気密性や断熱性、
換気システムの性能が格段に上がっていますので、
昔(家相・風水が全盛だった時代)の家に比べると
ずいぶんと事情が変わっています。

 

汚れやすい、カビやすいと言われるバスルームも
常に清潔に保ちやすくなっていますし、
カーテンやサッシの選び方次第で
キッチンの西日も完全に遮ることができますよね。

 

「換気扇を24時間回しっぱなしにする」
「便器のフタ、ドアは必ず占める」
を徹底していれば、
トイレのニオイが家中に広がることもありません。

 

今となっては、
「もう、鬼門・裏鬼門はさほど気にしなくても良いのでは?」
と考える専門家もいます。

「単なる迷信」って本当?

しかし、鬼門・裏鬼門を「単なる迷信だ」と軽視するのは危険です。

 

本当に意味のない思想なのであれば、
4000年もの間、こうして語り継がれるものでしょうか?

 

長い間、人々がその方位を恐れてきたのは、
やはり何かしら、そうさせるだけの根拠があったのでしょう。

 

実際、鬼門・裏鬼門を無視した家づくりをして
体調を崩した人、家族が離散した人もいます。

 

「家相なんて占いみたいなもので、
信じるも信じないもその人次第だ」
と言われればそれまでですが、

 

世の中には科学だけでは解明できないことが
存在していることもまた確かです。

 

実際に何か大きなトラブルに見舞われてから
「ああ、信じておけばよかった」と後悔しても後の祭り。
先人の教えに耳を貸す謙虚な姿勢、心の余裕を持ちたいものです。